理学療法士・波田野征美の『波田ログ!!』

理学療法士の波田野がセラピストとしてトレーナーとしての日々

OPAの身体観Part3~トランクカールは腹直筋ではなく・・・~

どうも、Oriental Physio Academy代表理学療法士波田野です。
http://oriental-physio-academy.jimdo.com/




さて、今日はOPAの身体観シリーズです。


前回では

「バランスが良い」ということと

「支持基底面&重心の関係性」ということについてお話しました。








転倒しない

バランスが良い

当たりが強い




ということは


支持基底面から重心が外れないということですが
(今回はとりあえず基底面から外れたときのホッピング反応などの話は置いておきます)




受け流すにしても


押し返すにしても



必要な能力というものは



胴体部の3次元の動き


です。




胴体部の3次元の動き・・・



つまり

胴体部の


屈曲・伸展
(丸める動作・反る動作)

側屈
(左右へ曲げる)

回旋
(捻る)



という3つの方向への動きです。




この動きを

大きな可動域で動かすことができれば

基底面内に重心を置き続けるときの自由度が高くなるため

転びにくくなりますし



その可動域を強い負荷量でも動かしきることができれば

押し返すことも容易になります。







とはいっても、ただ可動域を増やしたり

筋力を強くすればいいというわけでもありません。





大事なことは

「レフ化」していくこと

「レフパワー」を強くするということが大事なのです。



要は「ちゃんとやる」ってことなんです。




では、そのちゃんとやるってのはどういうことなのか?



というと



身体の筋肉や骨をより細分化して動かすことができるということなんですね。




こうやって細分化できると

「身体意識論」の高岡英夫氏は

「分散加算」といって

より多くの部位を使うことでパワーが合算されパワーの総量が増していく

と言っていますし


「支点揺動」といって

相手の力と自分の力の

支点と力点をズラすことで

力に頼らずに相手を「崩す」ことが可能になると言っています。
(これが合気道の理屈です)







では、その「細分化」をどうやっていくのか?

というと

色々ありますが

ここでは「アナトミートレイン」から考えてみましょう。
(身体意識論での展開はまたの機会に)




例えば、身体を丸める動作。




胴体部を屈曲させていくわけですので


主動作筋としては


確かに

腹直筋


となります。



ですから、丸める動作を強く、柔らかくするためには

たしかにトランクカールなどで腹直筋を鍛えることは間違っていません。



事実、私だってトランクカールは行っています。





ですが、このトランクカールを

「腹直筋」を鍛えるトレーニングと捉えるか

「身体を丸める」を鍛えるトレーニングと捉えるかで

まったく変わってきます。




目的は「丸める」と強くすることで

「腹直筋を鍛える」ことではありません。



腹直筋は

あくまで

「丸める」

の要素でしかありません。





丸める動作に関係し


腹直筋と連動する筋肉は何があるでしょうか?



まずは「浅前線」ですが



腹直筋は胸骨筋、胸鎖乳突筋にまで繋がっていますから

胸骨や頚部、頭部の屈曲までも意識していかなくてはいけません。



さらに「機能線」もあります。



「機能線」は

上肢では大胸筋、下肢では内転筋と繋がっていますね。

ですから、「丸める」という動作においては

上肢の内転、内旋も必要になってきます。

運動連鎖でも骨盤の後傾、胸椎の後彎では

上肢の内転・内旋が連動してきますね。






さらに・・・

腹直筋ではないですが

両側性で働けば屈曲で働く

「腹斜筋」もあります。


その腹斜筋は

「ラセン線」になりますね。



腹斜筋は

上肢では前鋸筋、菱形筋に繋がっています


これらを「丸める」動作を強くするために働かせるならば

前鋸筋で肩甲骨を前方に引き出して、菱形筋それを邪魔しないような柔軟性が必要になってきますね。



もちろん、頚部や下肢へのつながりも考慮するのですが



こういった形で


トランクカールという「丸める」というトレーニングに

どれだけの筋が関っていて、それが

「骨をどう動かしているのか」

ということを捉えていなくてはいけません。





とりあえず、主に「収縮する筋肉」を中心にお話しましたが


菱形筋のように柔軟性があって、邪魔しないように伸びなくてはいけない筋肉もあるのですが


それはまたの機会に。


キリがなくなりますから。





どうでしょう?



ここまで捉えた上でトランクカールを指導しているトレーナー、セラピストはどれだけいるでしょうか?


ピラティスあたりだと

こういうカール系のエクササイズを


「脊椎ひとつひとつを動かすイメージで・・・」と説明しますが


ハッキリ言って・・・


不十分

なんですよ!!!





こんな感じです。



次はこれを「身体意識論」で説明しようかと思いますので


よろしくお願いいたします。



では~~!!!