理学療法士・波田野征美の『波田ログ!!』

理学療法士の波田野がセラピストとしてトレーナーとしての日々

バスタブ論から考える保険下リハの危機

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さて、みなさん。
上の絵(下手ですみません)のように

バスタブをお湯で満たしたいのですが、底には穴が空いています。


それでも、このバスタブをお湯で満たすためにはどうしたらいいでしょうか?

①蛇口を捻って、お湯の出す量を増やす。
②穴を塞ぐ



さて、どちらでしょう?














普通は・・・



②穴を塞ぐ
ですよね?

①お湯の量を増やすを選んだ方はいないですよね?




この話・・・何の話かというと

経営の話です。

先日の「コアトレフェス2011」の基調講演で高田靖久さんの話です。



バスタブに溜まっているお湯は「売り上げ」
蛇口から出るお湯は「新規の顧客」
穴から出るのは「離れていく顧客」だと思ってください。




先ほどの設問から、バスタブにお湯を貯めるのには穴を塞いだほうが賢明だと答えましたが

普通、経営ではどちらを選択しがちでしょうか?


そう。
①の蛇口から出るお湯の量・・・つまり新規顧客ですね。


この選択は非効率な経営だといえるでしょう。



効率的な経営とは、既存の顧客をいかに常連にしていくかということが大事なんですね。


これは実際に高田さんが20年近い顧客管理の経験から、データとして裏打ちされた話です。

高田さんのデータでは

店の売り上げの75%が

30%の常連客によってもたらされているのです。

これからも、新規顧客を増やし続けるよりも

既存の顧客を逃がさないようにするかが重要であるという裏づけですね。



とはいっても、穴を完全に塞ぐことは不可能です。

引越しなどといった経営努力ではどうにもならない事情もありますから。


それに平均して40%の顧客が離れていってしまうらしいです。

しかし、大成功を収めた店舗は経営努力によって

顧客が離れていく率を20%程度まで下げているらしいのです。



まぁ、その方法はここでは書きませんが




これを保険下リハビリテーション業界で当てはめてみましょうか。



まず、穴を塞ぐという点ですが


そもそも、数年前から国の方で日数制限が決められてしまいましたね。

運動器では150日です。

つまり、外来整形外科などの運動器リハでは

固定客を作るために穴を塞ごうにも

国によって、穴を無理矢理にどんどんと広げられてしまっているわけです。


そうなると、もう蛇口から出るお湯の量を増やしたいところですが・・・


それすらも制限を受けてしまっていますね。


PT一人あたりに算定できる1日の単位上限や1週間での算定上限。
150日後もリハ継続できるものの、月に13単位までという制限。

1単位あたりの点数もどんどんと下げられてしまっています。


保険下では供給量も制限されている上に、流出量はどんどん増やされてしまっているわけですから


もう、保険下でのリハビリテーション

破綻への道を歩んでいるのは明白ですね。






こういった現状を打破するために、療法士業界の政治力を高めていかなくてはまずいわけで

それに邁進していく方もいるでしょうし


保険下リハビリというバスタブから、自費診療のバスタブに乗り換える療法士もいるでしょう。


どちらも厳しい道ですが



なんとなく、働いているだけの療法士の人たち

いつまでも、なんとなく働いているだけではダメですよ。


今の状況が続けば、療法士は普通にクビになってしまう時代になりますからね。


クビにならないようにするも悪くありませんが

クビになっても大丈夫なように準備をすることの方が大事です。

それが結果的にクビにされないようになる方法でもあったりしますからね。



では。