理学療法士・波田野征美の『波田ログ!!』

理学療法士の波田野がセラピストとしてトレーナーとしての日々

野球指導、ジャイロボール必須モーション「かませ」

先日、投球動作での必須モーションのお話をしました。


今日はその中のひとつ「かませ」です。


「かませ」とは軸足の股関節に力を集約させることで、股関節の臼蓋と骨頭をはめ込むことですね。

つまり、股関節の軽度屈曲位のことです。



動作イメージとしては・・・

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そして、ダメなパターンがコレです。
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コレは「すべり」という状態で、骨盤が後傾していて股関節に体重が乗りません。
脊柱も丸くなっているので、その後の回旋運動も甘くなります。

ほとんどの選手がこの「すべり」に陥っています。

実は、この「かませ」の作業が一番難しく、プロ選手ですらこのかませができている選手は少ないです。
前田健太投手(広島)、成瀬投手(ロッテ)、岸投手(西武)といったエース格の選手ですら、すべっています。

じゃあ、この「かませ」は必須モーションではないんじゃないの?と思われそうですが・・・

そういうわけではありません。

プロ選手の場合は多少のすべりがあっても、それを補うだけの天才的な腕の使い方や筋力を持っているからこそ一流なのです。
岩隈投手の腕の使い方は天才的ですね。

そこから超一流になるにはやはり「かませ」が必要になってきます。
それに「かませ」ができることで、体は開きにくくなり、安定した成績を残せるようになります。

そんな「かませ」がうまいのは

日本の大エースであるダルヴィッシュ投手(日本ハム)、和田投手(ソフトバンク)、杉内投手(ソフトバンク)、館山投手(ヤクルト)です。
あと田中投手(楽天)もですね。




かませの実例です。
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彼はこの片脚を上げきったところで見事に軸脚の股関節が「かませ」てあります。
本来ならもっと脚を挙げてもいいのですが、脚を挙げると軸脚の股関節は「すべり」になりやすいのです。
今、大注目の斉藤投手(日本ハム)はこのタイプです。
彼の最大の特徴は低い姿勢から始まる投球フォームですが、あれは「かませ」を強調するための彼なりの戦略です。


ただ、この「かませ」は固定するものではなく「通過」するものです。
斉藤投手の「かませ」を固定する戦略は有効といえば有効ですが、その代わりに脚を高く挙げることで得られる位置エネルギーを犠牲にしています。

そのため、ボールの威力自体は「2軍レベル」なんですね。
とはいっても、彼のすごいところは安定した「かませ」による制球力だったり、巧みな投球術ですからね。

阪神の星野投手みたいになってほしいものです。



もうひとつ。
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彼は見事ですね。

プロやメジャーリーガーのようにダイナミックに脚を上げ、大きな位置エネルギーを確保しています。
そこから、脚を下ろすときには股関節をしっかりと「かませて」います。
これにより、荷重伝達は股関節で途切れることなく力が集約されていきます。

この「かませ」があることで、その後の「隠し」をしやすくなり、体が開かずいわゆる「タメが効いてる」フォームになります。



では、この「かませ」の練習ですが

立位でこの姿勢を作ります。
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簡単そうですが、できない選手は膝だけが前に出て後傾してしまいます。

典型的なダメスクワット状態です。

そうではなく、正しいスクワット(浅め)をするのです。

そういう意味ではスクワットは良い練習ですね。


これができず、どうしても膝を前に出してしまったり、腰は後ろの引けても、骨盤は後傾して背中も丸くなる場合は

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膝立ちでのスクワットを練習してもいいですね。

膝立ちにすることで膝関節での代償を防ぎ、股関節を強調できます。
ポイントは膝に重心を落として膝に荷重を伝えることです。

これで膝ではなく、足の方に重心が落ちるようでは意味がありません。




で、この両脚での「かませ」ができたら、軸足側の「かませ」を共調していきます。

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軸脚側の股関節を後ろに引きます。

注意するのは「腰を回す」のとは違うということです。
軸脚側の腸骨を後ろにズラして、反対側の腸骨は前にズラします。

回転ではなく、前後へのスレです。

難しいですが、これは練習してください。

これも膝立ちで練習してもいいです。
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そして、この軸脚の「かませ」ができたら、軸脚をかませたまま反対側の脚を挙げていきます。
いきなり高く上げるのではなく、最初は足の指を重ねる程度でいいでしょう。
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そこから、少しずつ脚を高くあげていけばいいと思います。

かませの感覚ができてきたら、軸脚の股関節が「すべる」くらいまであげたところから、脚を下げながら「かませる」練習をしてください。




また、ストレッチポールを使うなら
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この「両手上げ・片脚上げ」をできるようになるといいですね。
軸脚の股関節にしっかりと体重が乗らないと、できないポーズです。



ほかにも、エクササイズはありますし、注意点はいくつもありますが、すべてを教えるのはスペース的にもですが、

私の秘密でもあるのでここまで。




次は「隠し」を載せますね。