理学療法士・波田野征美の『波田ログ!!』

理学療法士の波田野がセラピストとしてトレーナーとしての日々

EBM

EBM」・・・

つまり「エビデンスに基づいた医療」。


それが重要なのことに異論はありません。


しかし、この「EBM」を履き違えないでほしいなと思います。


エビデンス=根拠という意味ですが


じゃあ、根拠ってなんですか?



ほとんどの人が言う根拠って

「学会で発表されて、科学的に証明された根拠」です。

ただ、根拠ってそれだけじゃない。

根拠には「患者の根拠」、「医療従事者の経験的根拠」、「統計学的根拠」があります。

前述の「科学的に証明された根拠」ってのは、「統計学的根拠」であり、エビデンスの一部でしかない。


ほとんどの理学療法士が「患者からの根拠」と「経験的根拠」をないがしろにいすぎです。

偏見ですが、大学の「偉い」とされている講師の人たちや

そんな大学の卒業生に特にその傾向が強いです。


さらに言うなら、そういう人たちの「統計学的」ってのは

理学療法学会や医学会という、極めて狭い世界の中だけの話が多いです。

フィットネス業界や東洋医学系の根拠に対してはかなり敵視していますが、非常に愚かとしか言いようがありません。


私はどちらかというと、フィットネス系の根拠を重要視しています。

なぜなら、彼らの方が進んでいるからです。

フィットネス系の人達はとにかく身体を動かすのが好きで、とにかく何でも「体験してみる」という姿勢でします。
そして、自分で体験してみて「これは効くな。」と思えば、すぐに取り入れます。
さらに、それをクライアントに試して、どんどんアップデートしていっています。

とにかくフットワークが軽いです。
それもそのはずです。

彼らの働いている環境はサバイバルなのですからね。


それに比べて、理学療法士は試す前にまず理屈。
理屈に合うまでは試さない。

本当に遅いです。


ウチの職場でも栃木の某大学卒のスタッフが数人います。

その大学出の人達はやはり「根拠。」が口癖で、私がフィットネス系の治療や知識を話すと

「いや~、それは根拠が・・・」って。

でも、実際に治療成績が良いのは

明らかに私の方です。

その某大学出のスタッフが「あれは難しいなぁ。無理だなぁ。」と諦めていた患者も

私に担当を変えた途端に改善していくことがほとんどです。ほぼ100%と言っていいでしょう。



何度も言いますが、だからといって「統計学的根拠」が悪いとは言いません。

そこから始まってもいいでしょうし、それが一番安全だと思います。

でも、大事なのは「あれ?効果がない。おかしいな?」、「こうした方が良いかもな?」っていう「経験」や「直感」からくる根拠と組み合わせていくことだと思います。


私の場合は少し順番が逆なだけです。

私は経験的な根拠に理学療法学的な根拠を後から後付けしていくことが多いだけです。




あと、「患者の根拠」も忘れないでください。

何気に治療のヒントになります。

「こういう仕事をしているから痛くなったんじゃないかな?」とか「前はこうしてたら痛みが治まった。」とかなどなどです。

それを「統計学的根拠」や「セラピストの経験的根拠」で説明づけていく。

それに、こういう経験ありませんか?
自分の中で間違っていないはずの治療でもうまく改善しなくて「おかしいなぁ~。」と思っていたら

世間話をしているうちに患者が「そういえば・・・」みたいな話から、「えっ、そうだったの?じゃあ、問題点はこういうことか!!」って。




まぁ、話がごちゃごちゃしちゃいましたが


エビデンスに基づいた医療」のエビデンス

「(医学会の)統計学的根拠」だけでなく、セラピストの「経験的・直感的根拠」と「患者からの根拠」の3つがあり

それらをうまく擦り合わせていくことだということです。


私は実習生にいつもこう教えています。




「文献ばかりに捉われていたらつまらないぞ。」

エビデンスは自分で作るものだ。」と



「文献に載っているのか?」とばかり言われる実習生はいつも暗い顔をしていますが


そんな学生に「エビデンスは自分で作るんだ。そっちの方が面白いそ!!」と言うと

学生は笑顔を取り戻してくれます。